あれから何日経っただろう。
長く時が過ぎて、羽ばたいている感覚が忘れられてきている。
そんな時、旅立ち始めたばかりの鳥に出会った。
飛び始めたばかりで、飛び方もまだ上手くない。
飛び始めたばかりの時は自分もそうだったな、なんて思いながら寄り添って飛ぶ。
寄り添って飛んでいるとき、いろいろ話をしてお互いを知った。
話を聞いて、まだ飛ぶのが上手くないその鳥を助けたいと思うようになってきた。少なくとも、しっかりと羽ばたいて飛べるまで。
そんなある日。
話をしていて、その鳥は急に泣き出した。
影の、大きな影の存在が自分を導いてくれている守ってくれていると感じたから。
その影が嫌いだったその鳥は、自由と反発心から巣を出てきた。
でもその途中に気が付いた。
その影の大きさに。
その影の温かさに。
その影の力強さに。
それを想って溢れた涙。
掠れた言葉の奥に秘められた感謝。
そして己の無力さ、非力さ。
自分が生きてこれたのはその影のおかげ。
導き、守り、愛とぬくもりに溢れた大きな大きな影。
そんな姿を見て、俺は想いの深さを知る。
自分にも見える、大きな影を改めて想う。
いつかその影は見えなくなるだろう。
高く飛びすぎて俺の前から見えなくなってしまうだろう。
その時には、自分が新たな大きな影となって他の鳥たちを導いて・守って・暖めてあげられるようになっていたい。
そして心よりの感謝を込めた
「ありがとう」という言葉を送りたい。